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INTERVIEW WITH CHRISTOPHER MAKOS
Makos at Restir in Tokyo 2014
Makos at Restir in Tokyo 2014
Wataru Fukaya

commons&sense (以下C&S): 今回 PORTS 1961とのコラボレーションであるカプセル コレクション “ALTERED IMAGES by Christopher Makos” はどのようにしてはじまったプロジェクトですか?
Christopher Makos(以下CM): 元々 “ALTERED IMAGES” は昔アンディ ウォーホールとコラボレーションをしようと2人で思い立って立ち上げたプロジェクトなんです。そのきっかけになったのが、マン レイとマルセル デュシャンが制作していた “Rose Sélavy” というシリーズ。デュシャンが画家、マン レイがフォトグラファー。アンディとのプロジェクトは彼らの写真へのオマージュなのです。彼らはあまり多くの点数を制作していないのですが、アンディと私は、2日間で8つのウィッグを使って、全部で約350点程の作品を制作しました。ここで興味深かったのは、アンディが画家であるということ。 “LADY WARHOL” という写真集に収録されている写真を見ていただけるとわかるように、アンディがモデルではなく、画家であるからこそ、彼の手のポーズは独特なんです。彼はつねに手を動かして何かをしている仕草をしていました。普段から手を使って仕事をしているからでしょうね。これらの作品は30〜40年前に制作されているにも関わらず、色褪せず、未だ現代的に感じられるのです。ファッションでたとえると、リトル ブラック ドレスのようなもの。ブラック ドレスはいつの時代も人びとに愛されて来た定番のアイテムです。同じ様に、私のキャリアの中でも、 “ALTERED IMAGE” は永遠なのです。今回の展示のきっかけとなったのは、イタリアで1年ほど前に僕の作品が再認識されたからです。 PORTS 1961のクリエイティブ ディレクターであるフィオナ チバーニが私の作品のファンで、特にこのシリーズが好きだということで、オファーをもらいました。そこからどのような形でコラボレーションできるか、そして、どのような形で世界に発信できるかを考えました。私にとっても、今までのオーディエンスとはまったく違った層に発信できるので、とても良い機会だったんです。1977年に『WHITE TRASH』という写真集を出版したのですが、2年前に MET で PUNK をテーマにした『WHITE TRASH』という展覧会を開催した際に、写真集も再版したのです。良いものはまた巡り戻って来るということですね。今回のコラボレーションに関しては、最初はどのようになるのか心配だったんですが、展示する場所(国)それぞれで、オーディエンスのリアクションが違うのが面白いです。まったく違うエネルギーを感じるんですよ。

C&S: 東京でのリアクションはどうでしたか?
CM: とても良かったです!
まず、この展覧会はミラノを皮切りにスタートしたのです。ミラノでは商品は10 CORSO COMO 、作品は別のギャラリーで、もっともトラディショナルなギャラリースタイルで展示したのです。その次は NY のミートパッキングエリア付近にある PORTS 1961の旗艦店にて。そこでは、商品と作品展示を同じ空間で行ったのです。つまり、商品と一緒にコマーシャルな空間で私の作品が展示されたのです。それまでそのようなことはしたことがなかったので、最初はあまり乗り気ではなくて… 何よりも、自分の作品が装飾の1部として使用されるのではないかと心配していたんですけど、心配無用でした。

C&S: 東京では様々な人に出会ったと思いますが、いかがでしたか?
CM: 東京の人びとはスタイリッシュでユニークで最高です!日本語を話せたらどんなに良かったか。ただ、ほとんどの人が英語を話すのであまり問題はなかったですね。そして、日本はすべてがとても清潔で素晴らしいと思います。フランス人はきっと日本人に嫉妬していることでしょう。日本人は、フランス人のセンスを見ごとに取り入れているだけではなく、さらにもうひとつ上のレベルまで持っていっているのですから。

C&S: 今までいろいろな方を撮影したと思いますが、そのなかで印象に残った方は?
CM: エリザベス テイラーです。
彼女とは、友人のマルコム フォーブスを通じて知り合いました。マルコムはフランスのノルマンディでよくパーティを開催していて、私も何度か足を運んだことがあるのですが、そこでエリザベスと出会い、ポートレイトを撮影しました。彼女はとても可憐な女性でしたね。1970〜1980年代のアメリカで育った人びとにとって、エリザベス テイラーとは、最高の銀幕スターでしたからね。彼女の場合、生まれたときから映画の世界で生きてきたため、女優以外の生き方を知らなかったのです。本当に素敵な女性で、撮影していて感銘を受けました。私の場合、撮影の被写体として、ただ立っているだけの人にはあまり興味を持てないのです。私のパートナーであるポール(ソルバーグ)をよく撮影するのですが、彼は被写体として、カメラに向かってたくさんの物を与えてくれます。そういう被写体を撮影する方が楽しいですからね。逆に言うと、私自身はカメラの前に立つとどうして良いかわからなくなってしまうので、本当につまらない被写体だと思いますよ!被写体と1対1で向き合いたいので、撮影現場にはマネージャーやエージェントも一切立ち入りを禁止するのです。

※パートナーで、写真家でもある、ポール ソルバーグと。
ポールとは、”THE HILTON BROTHERS” というユニットで活動もしている。

C&S: アンディ ウォーホルとはとても近い関係で仕事をしてきたあなたですが、あまり知られていないアンディのエピソードがあれば教えてください。
CM: あまりにも彼のことを知りすぎていて、彼に関することはほとんど話してきたように思います。(笑)でも、彼がペットを飼っていたことはあまり知られていないかもしれませんね。とても美しく、それでいて意地悪(笑)なシュナウザーを2匹飼ってたんです。いつも吠えていましたよ。(笑) 他には、フィリピン人のメイドを雇っていたこと、そして毎週日曜日には必ず教会に通っていましたね。1番後ろの席に座っていました。最初から最後までいるわけではないですが、毎週欠かさず通っていたみたいです。このエピソードはおそらくあまり知られていないと思いますよ。

C&S: NY を撮り続けてきたあなたにとって、NY の魅力とは?
CM: NY の1番の魅力はそこに住んでいる人びとだと思います。ただ、人びともすごいスピードで変化していっているのも現実。 NY では今、中国人やロシア人が投資目的で不動産を片っ端から購入し、高い家賃を付けて賃貸で貸し出しているのです。その為に物価が上がっているので、今や NYは、お金持ちのための街になってしまったのが悲しいですね。

C&S: 東京のことはどう思いますか?
CM: もっと長く滞在したいです。キャロライン ケネディーが駐日米国大使になった理由も分かります。(笑)ひとつ学んだことと言えば、夜21:00に到着するフライトに乗っては1日損してしまうということです。朝1で到着する便に乗れば、少しでも長く良い時間を味わえるんですから。日本人は礼儀正しく、街は美しく、洗練されています。ガムひとつ道に落ちていないこのような街は世界中を探してもないと思います。今回の旅は私にとって前菜のような物です。次は必ずフルコースのために戻って来ますから。(笑)

C&S: 日本人で撮影してみたいと思う方はいらっしゃいますか?
CM: ゴジラです。何といっても”東京”という名を世界に広めたのはゴジラだと言っても過言はありません。今やゴジラのことはみんな知っていますからね。彼こそがアイコンです。アメリカにはスーパーヒーローがいますが、日本にはゴジラがいる。正直私は、今の日本のサブカルチャーのことをあまりまだ知らないのですが、もっともっと知りたいと思っています。そして日本の文化でもっとも好きなのが、相手を尊重するリスペクトの心です。この姿勢は私たちが学び、自国に持って帰るべき素晴らしい文化だと思います。
C&S: 今後チャレンジしてみたいことがあれば教えてください。
CM: 映像を撮ってみたいとは思いますが、私はせっかちなので、編集作業など時間のかかる進行に耐えられるかどうか… 優秀なアシスタントが必要ですね。(笑)
photos_Wataru Fukaya

 

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